2016年7月26日火曜日

UQ mobileは,本当に攻める気があるのか?

 約1ヶ月前の発表会で,「リアルタッチポイントで総攻撃に出ていきたい」と意気込んだそうですが,その後,増えた端末はiPhone 5s,arrows M03,DIGNO Lの3機種だけ.その上,arrows M03はarrows M02の後継,DIGNO LはKC-01の後継なので,事実上増えた機種は,iPhone 5sだけです.


 arrows M03は様々なMVNOが採用しているので,差別化の材料にはならないでしょう.ではDIGNO Lにどれだけ魅力があるかと考えると,そろそろ,Android7.0の足音が聞こえてきている現状で,今更,Android5.1の端末ってどうなの?って感じです.仕様を見る限り,DIGNO rafreと同型機種みたいなので,早い段階で売り切れたDIGNO rafreと同型機種がまた手に入る,というところが魅力でしょうか.
 ちなみに,DIGNO Lに似た,Y!mobileのDIGNO Eは位置づけが微妙な機種のようです.仕様を見ればすぐ分かりますが,ROMが8GBしかないです.今時8GBって,何を考えたのでしょうか?ROMの価格なんて大した金額にならないと思うのですが.
07/31 追記-----
 ただ,使うアプリやゲームをちゃんと選べば,8GBでも何とかなりますけどね.私が使っているFREETELのPriori3 LTEもROMは8GBですが,何不自由なく使えていますし.
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 UQ mobileのarrows M03の販売価格は,他のMVNOの販売価格と比べると,かなり高額です.楽天モバイルやIIJmio等と比べると,7千近く高いです.4万弱の端末で7千近い差額,つまり約2割の差というのは,どうなんでしょうか.私には,売る気があまり無いようにしか感じられません.
 それに,arrows M03は,量販店でもSIMフリー端末として販売されます.端末補償さえ必要なければ,量販店で端末とUQ mobileのSIMを買った方が,UQ mobileから直接購入するより安価になる場合があるという笑えない状況です.こういった状況で,今後,価格改定をする予定はあるのでしょうか?(当分の間は無いと思いますけど)言っていることと,行っていることが,ちぐはぐです.
07/29 追記-----
 MVNOにおけるUQ mobileのシェア(MMD研究所の統計で2.3%)を考えると,仕方がないのかもしれません.強気の価格設定ができないのでしょう.
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 現状の希望(というか武器?)はiPhone 5sと通信回線の速度・品質ですが,iPhone 5sは「リアルタッチポイント」が多くない所為もあって,どれほど,効果があるのか分かりません.まぁ,iPhoneというネームバリューとY!mobileとほぼ同額という価格だけでも十分に通用するとは思いますが.通信回線の速度・品質は,目に見えない分,アピールしにくい点ですので,どのようアピールするかがとても重要です.それが分かっているのでしょうから,15日間の無料体験ができる「Try UQ mobile」というサービスを始めていますが,いかんせん,UQ コミュニケーションズのサイトのつくりが悪すぎて,欲しい情報に辿り付けません(UQ WiMAXとUQ mobileのサイトを強引にくっつけたためではないかと考えています).

 au系ということで,端末を増やすのが難しいのは分かりますが(mineoもAプランはつらそうですが,mineoにはDプランという逃げ道があります),これでは「総攻撃」にでるどころか,攻勢をかけてきている,docomo系MVNOの楽天モバイルやFREETEL,イオンモバイルなどに,対応できるのか怪しいですし,追いかけているはずのY!mobileはどんどん遠のくだけな気がします.
 やはり,「総攻撃」に出るならば,端末もプランも少ない以上,少なくともモバイルルータとのセット割などの施策は必要と考えます.

 Y!mobileは,arrows M03の発売に合わせて?,Android One(507SH)を発売してきますからね.その上,arrows M03には,Y!mobileのSIMを挿すことができます(3大キャリア全てに対応した端末ってすごいと思います).加えて,最近の海外製SIMフリー端末(ASUS,HTC,HUAWEI,ZTEなど)や国内のFREETELの端末が,docomo系MVNOのSIMだけでなく,Y!mobileのSIMにも対応しているのも,シェアや売り上げに大きく影響する要因と言えるでしょう.(MVNOでのUQ mobileのシェアって,どのぐらいでしょうか?docomo系に押されて,かなり低そうですが.)
07/29 追記-----
 MMD研究所の統計によると,2.3%だそうです.
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 一方,UQ mobileは自社ブランドの端末(iPhone 5s,DIGNO L,arrows M03)以外は,auの中古端末頼みです(SIMフリーのiPhoneなら新品が手に入りますが,それは他のMVNOも同じです).中古端末が手に入りやすい3大都市圏なら何とかなるかもしれませんが,それ以外の地域は,たとえ政令指定都市でも,中古端末が簡単に手に入るとは限りませんし,中古端末の入手性ならばdocomo系も同じです.それに,中古端末に抵抗感がある人も少なくないでしょうし,所詮,旧世代の端末です.つまり,新品のSIMフリー端末がほとんど使えない分,UQ mobileの方が圧倒的に不利と言えます.

 このような状況に対して,UQ コミュニケーションズと,事実上の親ブランドであるauが,どの様に考えているのか知りたいところです.このような状況を踏まえた上での「総攻撃」発言だと思っていたのですが,発表会から約1ヶ月が経った今の段階では,全然ダメですね.いかんせん,売るものがないのですから.何かしらの用意をしているのかと思ったら,今のところiPhone 5sだけですし.SIMのプランも他のMVNOと比較すると充実しているとは言いにくいですし.

 少し,話が逸れますが,507SHはarrows M03に比べると高価(私の予想よりは高かったです)ですが,それでも性能等を考えると,悪くない価格だと思います.先日,家族割を変更するために,ワイモバイルショップに行ったところ,カウンターの後ろにスモーキーブルーの507SHが,ひっそりと置いてありました(あの色は特徴的で良いですね).さすがに,触らせてもらうことはできませんでしたが(お願いしてみたのですが,ダメでした.スタッフの練習用ではないでしょうか,特にラベルも張っていませんでした),とても,興味が魅かれる機種です.こういうチラ見せって,結構大事なような気がします.知っている人には,そろそろか,と思わせますし,知らない人には,あれはなんだろう,と思わせることができます.これが,まさに「リアルタッチポイント」ですよね.それから,iPhone 5sは,「32GBモデル,入荷しました.残りx台」というポップが出ていました.これも,「リアルタッチポイント」ならではですよね.ちなみに,今回利用したワイモバイルショップは,とても小さな店舗なのですが,スタッフの質が,以前よりずっと良くなっていました.家族割の変更だけなのに,とても丁寧に対応して下さいました.

 507SHとarrows M03を比べると,arrows M03の方がMIL規格準拠という,よく分かるセールスポイントをもっていますが,それ以外の機能はだいたい似ていますよね.違いは,507SHの方はSoCが良くて(Snapdragon 617),OSのアップデートが保証されている点(外見から分からない点),M03の方はおサイフケータイが付いていて,ワンセグアンテナを内蔵していて,アルミフレームだという点(外見から分かる点),ぐらいでしょうか.

 今週末,arrows M03と507SHの発売に合わせて,K電機に行ってみようと思います.私の住んでいる地域のK電機はUQ mobileと楽天モバイル,Y!mobileの展示ブースがあるので,一度に比較できます.単純な価格勝負では,楽天モバイルのarrows M03が一歩リードしています.これに対して,UQ mobileがどのような対抗策を講じてくるのかが,楽しみです(何もしていない気もしますが).

 スマホ等の市場活性化を考えると,au系のMVNOには,もう少し頑張ってもらいたいです.SoftBank系はY!mobileが頑張っているから問題ないでしょう.というかY!mobileが強すぎです.他のMVNOがSoftBank系に入る余地がありません.それはそれで,面倒が少なくて良いのでしょうけど.

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