2016年11月4日金曜日

実験用Linuxサーバを更新

 興味本位で,魔改造(笑)LIVA Xに,Xubuntu 16.04 LTSをインストールして,実験的に運用を始めたLinuxサーバですが,思いのほか便利で,また色々と勉強になるため,他のことも試してみたくなりました.そうなると,LIVA Xでは性能や機能が不足することが明らかなため,もう少し高性能・高機能なPCに更新することにしました.

 とはいえ,2nd PCを更新したばかりですし,あくまでも実験用という位置づけのため(いづれは本格的なサーバを導入したいです)予算は本体のみで2万円以下としました.

 LIVA Xと同様に実験用のため,設置場所と消費電力を考慮し,小型ベアボーンを使用することにしました.ベアボーンは,PC〇ンズで特価になっていた,GigabyteのGB-BACE-3150で,価格は約1万5千円です.価格性能比が良いことから,以前から気になっていました(メーカや代理店のサイトを見る限り,どうやら在庫限りのようです).
 GB-BACE-3150(Gigabyte BRIXシリーズ)は,Intel NUCシリーズのGigabyte版といった感じですが,私が触った限りでは,ハードウェアとしての完成度は,NUCの方が上ですね.
 CPUがCeleron N3150(Braswell, 1.6GHz, 4コア)で,ベンチマーク結果を掲載しているサイト(http://www.cpubenchmark.net等)で調べた限り,同じAtom系アーキテクチャのCeleron N2808(BayTrail-M, 1.58GHz, 2コア,LIVA Xに搭載)や
Celeron N3050(Braswell, 1.6GHz, 2コア,LIVA X2に搭載)の1.5倍程度の性能でした.また,CoreアーキテクチャのCeleron 3205U(Broadwell, 1.5GHz, 2コア)やCeleron 3855U(SkyLake, 1.6GHz, 2コア)と同程度の性能でした.Atom系アーキテクチャとCoreアーキテクチャの比較なので,得意分野が違いますが,総合性能は同程度のようです.そのため当分の間は,性能不足になる心配はないと思います.
 冷却ファンを内蔵しているので,LIVA XのようにCPUやストレージの温度に悩まされることが無いのは良い点です.
 GB-BACE-3150を選んだ最大の理由は価格性能比が良いことですが,他にも,LIVAやNUC以外の小型ベアボーンを使ってみたかったこと,Intel純正ほどではないですがGigabyte社製という安心感があること,ディスプレイ出力がディジタル(標準サイズのHDMI)とアナログ(D-Sub15ピン)の2系統があること,内蔵無線LANがIntel純正の201.11ac対応コントローラであること,USB 3.0が4ポートあること,などがあります.
 特にUSBについては,LIVA Xでは,3ポートのUSB(USB 3.0が1ポート,USB 2.0が2ポート)に,冷却ファン(3台)やUSB無線LAN子機(802.11ac対応),キーボード(GUIでの設定が終われば不要ですが念のため)を付けることになりましたし,USBメモリ等を使うためにUSB 3.0のポートは空けておきたかったため,使えるUSBポートが2個だけになり,USBハブを複数使うことになってしまいました.その結果,小型の筐体に対して,周辺機器がゴチャゴチャとたくさん付いてしまいましたし,電流不足の心配が出てきました.以前は,シャットダウンしても動いていた冷却ファンが,今では,シャットダウンと同時に停止しています.
 GB-BACE-3150なら,冷却ファンやUSB無線LAN子機が不要になるので,周辺機器はキーボードだけで済みます.ただし,ユーザーレビューが皆無なのが,心配の種ではあるのですが.

 メモリは,Yカメラで見つけた,A-DATAのADDS1600W4G11-R( DDR3L-1600, 4GB)で,価格は約2千円です.ポイント還元を含めると,4GBのメモリとしては,最安に近いと思います.
 複数のショップで,別メーカ製で同程度の価格のメモリを見つけたのですが,私が知らないメーカだったり,送料が別途かかったりしたので,それならば,以前にも使ったことがあるA-DATAの製品を,送料無料のYカメラから買った方が良さそうだ,と判断しました.
 可能なら8GBのメモリにしたかったのですが(RAID-Zの実験をしたいので,メモリは多い方が良いです),DDR3Lのメモリの品薄と価格の上昇(4千円以上します)が,2rd PCを更新した時(3千円程度でした)よりも進んでいたことから,今回は4GBにしました.ストレージを買う予算も考慮しないといけませんし(結果的には不要でしたが),メモリ4GBのLIVA Xでのメモリ使用量を見ていて,リモートログイン時であれば200MB程度の使用量なので,4GBあれば間に合いそうだ,と判断したというのもあります.

 ストレージは,2nd PCのデータバックアップ用に使用していたUSB HDDを,2nd PCの更新に合わせて,より大容量のものに交換したので,古いバックアップ用HDDを流用することにしました.ものは,Western DigitalのWD7500BFCX(WD Red, 750GB)です.
 念の為,S.M.A.R.T等をチェックしましたが,問題は見つかりませんでした.外付けケースに入れてUSB HDDにして,定期的なバックアップにのみ使用していたため,常時使用していたHDDと比べて,劣化がほとんどなかったのでしょう.
 最初は家に余っているSSD(120GBと180GB)を流用しようかと考えていましたが,調べてみると,どちらも4年程度前のSSDで,更にSandForce製コントローラ搭載SSDでしたので,さすがに使うのに躊躇いがでました.それならばと,安価(4~5千円程度)なSSDの購入を考えていましたが,容量が120GB程度となるため,LIVA Xの192GBよりも劣りますし,SSDの価格容量比が下がり続けている状況とサーバの用途を考え,120GB程度の2.5インチ型SSDを新たに買う意味があるのかという悩みもありました.そういう意味では,タイミングよく,WD RedのHDDが流用できました.
 HDDはSSDよりも価格容量比が高いですし(最低価格はあまり変わらないですね),WD RedのHDDはNAS用の耐久性の高いものなので,今回構築する実験用サーバには,容量と耐久性の点で,安価な小容量SSDよりも適役だと思います.HDDは速度ではSDDに敵いませんが,幸い,ストレージの速度が他に影響するようなサーバではないので,問題ありません.

 ストレージを他から流用することができたため,合計金額は1万7千円と,予算内に余裕で収まりました.
 次は,とりあえず,LIVA Xと同様に,OSのインストールと設定,各種パッケージのインストールと設定をします.
 他には,ZFSでRAID-Z(ソフトウェアRAID)を試してみたいですね.ネットで調べたところ,Ubuntuは16.04 LTSからZFSを標準でサポートしていて,その上,RAID-ZはUSBメモリで試すことができるそうです.USBメモリで手軽かつ安価にRAID-Zの実験ができるというのは,USBしか拡張方法がないGB-BACE-3150にとって,格好の実験ネタの一つです.
 マシンパワーがあるPCを使っている人は,仮想PC上でRAID-Zの実験をしているそうですが,幸か不幸か仮想PCが十分に使えるマシンパワーがないので,実PC上で実験します.

 話は変わりますが,PCの拡張がUSBだけで済むのであれば,小型ベアボーンは便利ですね.普通にPCを組むよりも,はるかに小型で省電力なPCが簡単に作れますし,部品の組み合わせが限られているため,相性を心配する必要が少ないです.予算次第で,Cleron NシリーズからCore i7シリーズまで選べるぐらいに,ラインアップが充実していますし,数は少ないですが,GPUを搭載したものや,AMDのAPUを搭載したものもあります.
 NUCやBRIXが登場したときには,ほとんど興味が湧かなかったのですが,今じゃ,LIVAシリーズも含めて,小型ベアボーンを多用していますからね(笑).

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