国内発売が遅れている理由の一つが技適等の検査だそうですが,Raspberry Pi zero Wの裏面の写真を見ると,しっかりと,技適のマークがプリントされています.それを信じて,えいや!っと,海外の通販サイトで注文したのですが,先日,それが届きましたので,さっそく遊んでみました.
まず,今回,利用した通販サイトは,イギリスのModMyPiです.このサイトは,初代のRaspberry Pi Bと,2代目のRaspberry Pi B+を購入する際にも,お世話になったサイトです.
Raspberry Piの供給元の一つであるRSコンポーネンツ本社があるイギリスにあり,購入代金の一部をラズペリー財団に寄付しているためか,在庫切れはほとんどありませんし(2017/04/16時点での在庫数が1000以上です),例え在庫切れしても再入荷が早いです.
本体やアクセサリの価格は,RSコンポーネンツ等の価格に近く,中間マージンを取られている国内通販サイト(〇mazonとか)よりも,安価な場合が多いです.また,日本のメール便に相当するRoyal Mail(追跡可能)を選べば,送料が1000円
例えば,Raspberry Pi zero W本体とケースを買うなら,送料を含めても,国内で購入するのと,大きく変わらない金額で購入できると思います.違うのは,納期ぐらいですが,国内での発売時期は不透明ですし,発売が開始されても,しばらくの間は争奪戦になるでしょうから,いっそのこと,海外から購入するのも手だと思います.
ModMyPiを利用するのに必要なものは,ちょっとした英文読解力と,クレジットカードまたはPayPalのアカウントです.英文読解力は,Googleの力を借りれば何とかなりますし,クレジットカードがなくても,最近はVプリカがあるので,敷居はだいぶ低いと思います.
ちなみに,私は,PayPalのアカウントにVISAデビッドカードを登録しています.PayPalを利用するようになったきっかけは,初代のRaspberry Pi Bを買うためで,その当時はVプリカは,まだ,ありませんでした.
ModMyPiはその名前から連想できるように,初代のRaspberry Piが発売された頃にできた通販サイトで,元々はRaspberry Piとそのケースに特化していました.今では,他のものにも手を広げていますが(Arduino,Beagle Bone Black,ちょっとした小物),あまり,手を広げ過ぎていないので,Raspberry Piを買うには利用しやすいサイトだと思います.
-----2017/03/19追記
ちょっと,調べてみたら,私と同様に,海外通販サイトから
Raspberry Pi zero Wを購入している方がいらっしゃいますね.多くの方がPimoroniという通販サイト(こちらもイギリスの会社です)を使っています.私もPimoroniを検討しましたが,Pimoroniで選べるケースが気に入らなかったので,いつも通り,ModMyPiで購入しました.
ModMyPiは,初代Raspberry Piと,その自社製ケースの販売から始まった会社なので,ケースの出来は,いつもながら秀逸です.ModMyPiにはアカウントが既にあるので,購入時の手間が少ないというのもあります.送料やアクセサリを含めた価格はPimoroniの方が少し安いそうですが,大差はありません.
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この手のICTデバイスを購入する場合は,国内だけでなく,海外の通販サイトからの購入も積極的に検討することをお勧めします.日本はICT教育が遅れていることもあり,国内では手に入らない,または,海外と比べて高額になっているデバイスが色々とありますが,海外の通販サイトを利用すれば,適価で手に入ります.今回,私は,Raspberry Pi zero Wの購入に合わせて,CodeBug(日本では未発売)という,教育用デバイスも購入してみました.CodeBugのレビューはいづれ,行いたいと思います.
さて,購入したRaspberry Pi zero Wですが,ModMyPiで1回の注文で購入できる個数は1つです.これは,国内の代理店と変わらないですね.他の海外の通販サイトも確認しましたが,どこも,1回の注文で購入できる個数は1つですね.
到着した小さな段ボールを開封して,ちょっとびっくり.Raspberry Pi zero Wは,他のRaspberry Piのような化粧箱ではなく,帯電防止袋に入った状態で段ボールの中に入っていました(段ボール内にはクッションが入っています).当然,マニュアル等もありません.これは,コスト削減の一環でしょうか.
化粧箱やマニュアル等がないということは,技適の番号が書かれたものがないということになります.多少,不安を感じましたが,本体裏面の技適マークを信じて,使ってみることにしました.
ケースは,ModMyPiのもの(クリア)と,オフィシャルのもの(赤/白)を購入しましたが,ModMyPiのものの方が使い勝手は良いと感じました.
ModMyPiのケースには,LED用の穴と,SoC冷却用の穴(Raspberry Piのロゴマーク)が開いていたり,microSDの取り出し口がついていますが,いづれも,オフィシャルのケースにはありません.この辺は,さすがModMyPiと感じます.
インストールしたOSは,Raspbian Jessie LiteのVer.2017-02-16です(今の最新は,Ver.2017-03-02ですね).
-----2017/03/08追記
ラズパイzero Wを正式にサポートしているのは,
Ver.2017-03-02なので,インストールし直しました.最新なだけあって,apt-get upgradeで更新されたパッケージは2つだけです.
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これのイメージファイルを8GBのmicroSDに書き込み,ファイル名をsshとした空のファイル(これが無いと,最初にSSHでのログインができない)と,他のRaspberry Piで利用しているwpa_supplicant.confを,bootパーティションにコピーして,Raspberry Pi zero Wに挿入して電源とUSB LANアダプタを繋ぎました.
PCからSSHでリモートログインした後に,びっくりしたのが,無線LANが既に接続していたということです.つまり,bootパーティションに置いておいたwpa_supplicant.confが,/etc/wpa_supplicantディレクトリに自動的に移動したようです.
もともとは,手動で移動させるつもりで用意していたファイルが,自動的に移動されたのですから,これは便利で良いですね.
それから,ファイルシステムの拡張も,自動的に実行されていました.
少し使ってみた感想ですが,パフォーマンスについては,高速なmicroSDを使用したこともあり,大きな不満点はありませんでした.シングルコアとはいえ,動作周波数が1GHzというのが,影響しているのだと思います.オーバークロック耐性があまりよくない,初代のRaspberry Pi Bより良い感じです.RAMが512MBあるので,SSHでリモートログインして使うには十分です.コンパクトで安価なLinux BOX(Raspberry Pi A+の半分のフットプリント)として,色々と遊び甲斐がありそうです.
Raspberry Pi zeroシリーズは,他のRaspberry Piシリーズよりも,はるかに安価ですが,初心者向けというよりは,コンピュータや電子工作に,ある程度,慣れている人向けと感じました.というのも,拡張性が乏しすぎるからです.周辺機器を取り付けるには,必ず,変換コネクタが必要ですし,GPIOのヘッダが取り付けられていません.
周辺機器を取り付けるために必要な変換コネクタのコストや手間を考えると,安価であることの魅力が減ってしてしまします.そういったことも考えると,初心者がコンピュータを勉強する目的で使うには,ハードルが少し高そうだと感じました.逆に,中級者以上にとっては,格好のアイテムだと思います.
日本のICT教育の実態を考えると,小型で安価,Linuxが使えるRaspberry Pi zero シリーズは,例えば,高校生や大学生のICT教材などに,良いかもしれません.本体+ケース+microSDを合わせても,3千円程度で,自分専用のコンピュータが手に入ります.もちろん,社会人のおもちゃ(笑)としても,適しています.
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