2017年4月6日木曜日

Raspberry Pi + Box + WebDAV + Samba = パーソナルクラウド (準備編)

 BoxはLinux用のクライアントソフトを提供しておらず,また,有名なフリーの同期ソフトのRcloneも対応していません.しかし,幸いなことに,BoxはWebDAVに対応しているので,これを利用します.
 Linuxが起動したときに,自動的に任意のディレクトリ(仮に/mnt/box-comとする)にマウントするようにします.
 今回の内容は,単にRaspbianの基本的なセットアップなので,慣れている人には不要だと思います.かといって,全くの素人には,難しい内容だと思います.じゃあ誰が対象なのかというと,強いて言うなら,自分用のメモです(笑).


 今回の用途では,デスクトップ環境は不要なので,Raspbian JessieのLite版を使います. 
 作業用PCには,Windowsを想定します.作業用PCには,あらかじめ,Bonjour for Windows,ターミナルエミュレータ(mobaXtermなど),7-Zip,Win32Diskimagerをインストールしておきます.Bonjour for Windows以外は代替となるものがあれば,それでも構いません(Macだと全部不要だと思いますが)
 また,高速な8GB程度のmicroSDHCを用意します.

 まず,
https://www.raspberrypi.org/downloads/raspbian/
から,作業用PCへ,Raspbian Jessie Lite(現時点でのヴァージョンは2017-03-02)をダウンロードし,7-Zipで解凍します.作業用PCにmicroSDHCを取り付け,Win32Diskimagerを用いて,解凍したイメージファイルに書き込みます.書き込みが終わったら,ドライブ名がbootとなった,リムーバブルディスクが現れるので,そこに,sshという名前を付けた,空のファイルを作成します.

 Raspberry Pi(ここでは,B+を使うことを想定します)にmicroSDHCを取り付け,LANケーブルと電源ケーブルを挿します.しばらくすると,Raspbianが起動するので,ターミナルエミュレータから,ssh pi@raspberrypi.local
と入力します.問題がなければ,パスワードを聞かれるので,raspberryと入力します.

 最初にすることは,Raspbianの設定です.
 $ sudo raspi-config
と入力すると,Raspbianの設定用のTUI画面が現れます.
 1.ユーザpiのパスワードの変更:raspberryのままでは,脆弱すぎるので,強固なパスワードに変更
 4.言語/地域選択の設定
  ・ロケールの変更:デフォルトのen-GB.UTF-8を外し,en-us.UTF-8, ja-JP.EUC-JP, ja-JP.UTF-8を選択,デフォルトはja-JP.UTF-8に設定
  ・タイムゾーンの変更:Asiaを選択 -> Tokyoを選択
  ・Wi-Fiの変更:JPを選択
 5.インタフェースの設定
  ・SSHサーバーの有効化:SSHを選択 -> Enableを選択
 6.オーバークロック設定
  ・今までの経験上,デフォルトのまま(700MHz ARM, 250MHz core, 400MHz SDRAM, 0 overvolt )よりは,
  Medium(900MHz ARM, 250MHz core, 450MHz SDRAM, 2 overvolt)ぐらいが良さそうです.
 7.アドバンスオプションの設定
  ・メモリ分割(GPUへのメモリ配分) -> 16に変更
以上を設定し,最後にFinishを選択します.
ここで,再起動を促されますが,ここでは保留します.

 続いてスワップファイルの設定を行います.
 $ sudo systemctl stop dphys-swapfile.service
と入力し,一時的に,スワップファイルを無効にします.
 $ sudo nano /etc/dphys-swapfile
と入力し,CONF_SWAPSIZE=100となっているところを,CONF_SWAPSIZE=1024に変更後,保存(ctrl-x , Y, [Enter]の順に押す)します.
 $ sudo systemctl start dphys-swapfile.service
と入力して,スワップファイルを有効にします.スワップファイルが有効になるまで(プロンプトが再表示されるまで),かなり時間がかかるので,慌てないこと.プロンプト($)が再度表示されたら,
 $ free
と入力し,SWAPが1040000程度となっていることを確認します.

 続いて,aptのソースリストの変更を変更します.アップデートにかかる時間が短くなるよう,日本国内のミラーサーバを設定します.
 $ sudo cp /etc/apt/sources.list /etc/apt/sources.list.orig
 $ sudo nano /etc/apt/sources.list

  deb http://mirrordirector.raspbian.org/raspbian/ jessie main contrib non-free rpi
をコメントアウト(行の先頭に#を付ける)し,代わりに,以下の3行を追加します.
  deb http://ftp.jaist.ac.jp/raspbian/ jessie main contrib non-free rpi
  deb http://ftp.yz.yamagata-u.ac.jp/pub/linux/raspbian/raspbian/ jessie main contrib non-free rpi
  deb http://ftp.tsukuba.wide.ad.jp/Linux/raspbian/raspbian/ jessie main contrib non-free rpi

追加したら保存し,
 $ sudo apt-get update
と入力します.初回だけは遅いです.
これが終わったら,再起動します.
 $ sudo reboot
 
 Raspbianが再起動したら,ターミナルエミュレータから,
ssh pi@raspberrypi.local
と入力します.パスワードを聞かれるので,新しいパスワードを入力します.

 本格的な作業に取り掛かる前に,パッケージのアップデートをします.
 $ sudo apt-get update
 $ sudo apt-get upgrade
 $ sudo apt-get dist-upgrade

続いて,有用なパッケージを追加インストールをします.
 $ sudo apt-get install rpi-update raspberrypi-kernel-headers firmware-linux-free
 $ sudo apt-get install locate bc ufw git dkms rsync tree dnsutils gdebi chkconfig sysv-rc-conf
 $ sudo apt-get install cpufrequtils ethtool hardinfo hwinfo lshw hdparm leafpad packagekit
 $ sudo apt-get install fonts-dejavu fonts-dejavu-extra ttf-kochi-gothic xfonts-intl-japanese xfonts-intl-japanese-big xfonts-kaname

以上で準備は終了です.

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