先日発売のarrows M03など,様々なスマホ&タブレットで採用されているクアルコム社製のSoCであるSnapdragon 410ですが,発表時期を考えると,少し古いSoCになってしまいます.ただ,これに代わる丁度良いSoCは,今のところ,無いと言って構わないでしょう.
Snapdragon 410の代わりになりそうなSoCというと,今のところ,CPUのクロックが1.2GHzから1.4GHzに上がったSnapdragon 412か,8コア化されたSnapdragon 415,もしくは,それらの後継のSnapdragon 42x,Snapdragon 43x,上位モデルのSnapdragon 61xぐらいでしょうか.
ソフトウェアやハードウェアとの互換性,価格を考えれば,61xよりも412の方が有利ですが(412は4コア,61xは8コア),0.2GHz程度の性能向上ならば,そのまま410を使い続けても,問題ないという考えがあるでしょう.熱設計等の心配もないですし(Snapdragon 820なんかは,発熱が大きくて,設計が難しそうです).加えて,新しいSoCである,42x,43x,61xを採用するとなると,互換性の問題やそれを解決するためのコストと時間などが,最終的に価格や発売時期に影響することは容易に想像できます.
また,42x,43x,61xの性能が必要な端末か?という考えもあるでしょう.恐らく,メーカも同じ様な考えで,結局,410を使い続けているのだと思います.私も,ものづくりに携わっている人間なので,その辺は少しは分かる気がします.色々な点で,Snapdragon 410は現時点で一番使いやすいSoCなのでしょう.
完全に新規開発の端末なら,42x,43x,61xの採用も十分考えられますが,マイナーチェンジの端末なら,410を使い続ける方が理にかなっています.412はカタログ上は多少見栄えがしますが,実質的な性能向上を考えると,中途半端です.そして,arrows M03はarrows M02のマイナーチェンジモデルであり,arrows M02からの様々なフィードバックがarrows M03に反映されているように見えます.
今年の夏モデルで使われているSnapdragon 42x,43xには,Snapdragon 430というのもあります.auの夏モデル Qua Phone PXやdocomoの夏モデル DM-02Hで使われていますが,これらは,Snapdragon 617を使ったauの夏モデル AQUOS U SHV35と新規の実質価格が,ほぼ同じです(約3万円).
それらと比べると,Snapdragon 410を使っているdocomoの夏モデル arrows SV F-03H(arrows M03の双子)は,新規の実質価格が約3万円と,ほぼ同じです.
arrows SV F-03Hは,開発者のインタビュー記事などから,単純なカタログ性能よりも,機能やデザインなど,実際の使いやすさに重点を置いたモデルと考えられます.
つまりarrows SV F-03Hは,docomoの夏モデルにおいて,現状で日本人に必要と思われる機能を全て備えた安価なスマートフォンとして開発されたと考えられます.また,価格や機能を考えると,フィーチャーフォンからスマートフォンへの移行を促すための機種ではないでしょうか.
そして,arrows SV F-03Hの双子であるarrows M03も,似た位置づけだと考えられます.
ネットを見ていると,今更Snapdragon 410か,というコメントを見るのですが,今直ぐに,それの代わりになるSoCがあるかというと,今のところ無い(あったとしてもSnapdragon 412ぐらい),というのが現状なのではないでしょうか.先々のことを考えると,多少,不安になるSoCではありますが,今のスマホの寿命を考えると,余り気にしなくても良いのかもしれません.
確かに,3万円を超える(量販店だと4万ですね)端末のSoCがSnapdragon 410というのは,少し寂しい気がしますが,arrows M03に関しては,様々な機能が搭載されていることを考えると,決して,(価格性能比ではなく)価格機能比は悪くないと思います.
08/02追記-----
J:COM MOBILEから発表されたLG X screenも,実売3万円台で,SoCはSnapdragon 410ですね.こちらは,付加機能として,J:COMオンデマンドに対応しているようです.
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